ロープ? (本宅日記からの転用)

  • 2008/01/22(火) 23:51:58

野田MAP関連にてこちらも掲載します

2006年12月〜2007年1月

野田MAP第12回公演「ロープ」

演出・脚本・原作 野田秀樹

主演 宮沢りえ 藤原竜也

今作の前に「THE BEE」が書かれ・・

そうしてベトナム戦争を描いたこの「ロープ」が作られたわけですが

暴力の連鎖というテーマでは共通しているものの

「ベトナム戦争」という具体的な事例があるだけにより生々しくそうしてより壮大な仕掛けで展開されていくのです

展開は前半よりも後半まさにジェットコースターのような高速展開でございます

では・・いつものことですが

まるっきりの自己解釈に基づいた

あらすじと感想(ほぼあらすじ)

〜ある晴れた日の朝〜




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THE BEE〜日本バージョン〜

  • 2008/01/22(火) 23:25:11

12月12日 WOWWOW放送分

野田MAP番外公演

第7回朝日舞台芸術賞グランプリ作品

野田MAPは東京でしか公演されないため

ライブでは観たことはなく

結局この「THE BEE」も日本バージョン、ロンドンバージョンともにTVで放映されたものを見た

では感想をば・・

実は12月に観たものの両バージョン通しての放映だったため

見るだけでグッタリしてしまったのだ

休日の今日、まずは日本バージョンを再度観てみた・・

やはり・・痛い!(笑)

野田秀樹氏・・ますます表現がストレートになっておられます

2006年にイギリスで初演、大絶賛されたものを逆輸入したものだ

両バージョンともに驚いたのは野田さんの演技

演技者野田秀樹の底力を見せていただいた

さて、日本バージョン


原作 筒井康隆
脚本 野田秀樹・コリン・バーティン
演出 野田秀樹
出演 野田秀樹 秋山奈津子 近藤良平 浅野和之

この4人だけで20もの役柄をこなしている
素晴らしいテクニックの応酬

背景は巨大な模造紙一枚・・

時にはドアになり、時には窓になり、時には布団にもなる

前半は野田さん特有のジェットコースター的な高速展開だが・・

次第に・・閉塞され・・追い詰められ・・停滞して・・破壊されていく様をじっくりと・・冷酷に描いていく・・

以前見た「オイル」「ロープ」のように

広島だったり、ベトナムだったり・・特定の事例を描いているわけでもなく

両者に共通するような神話的な展開は一切排除されているような気がした

時代は1970年代 平凡なサラリーマン・イドは息子の誕生プレゼントを抱えて家路を急ぐ・・

そこへマスコミのリポーターたちが取り囲む・・

イドの妻と息子が脱獄犯の人質になっているというのだ

マスコミはイドにもっと被害者らしく演じろと詰め寄り、警察は何もしてはくれない

イドは脱獄犯オゴロを説得するために彼の妻子に会いにいく

オゴロに愛想をつかした妻は説得を拒否・・

イドは被害者から加害者へと転じてしまう

オゴロの妻子を人質にして立てこもったのだ

そこから、両方の立てこもり犯の閉塞した空間での暴力と報復の連鎖が始まる

オゴロの妻を犯し、息子の指を切り取り、それを警察を使って運ばせるイド

そうして、イドの元にはイドの息子の指が届けられる

次の朝、また子どもの指を切り取る、そうして、切り取られたわが子の指を受け取る

子どもが死ねば・・次はオゴロの妻の指を・・そして女が死ねば・・

繰り返される報復・・止まることのない暴力

やがて・・イドは自らの指を切り取る・・

自己を破壊して、世界は破れた模造紙と共に崩れていく・・・

劇中に度々現れる「蜂」・・

「蜂」に恐怖心を露にするイド・・

「蜂」がいなくなった時に繰り広げられる「剣の舞」


この「蜂」と「剣の舞」が何を象徴しているのかを考えてしまった

ロンドンでは「敵に向かって針を刺す蜂は自己破壊の象徴」と言われていたけど・・そうなのだろうか?

蜂が刺すのは「自己保身」のためではないのだろうか?

「恐怖心」と「自己保身」それを蹴散らした時に踊る「剣の舞」は

まさに「狂気」の象徴のような気がする

人間としてまっとうな感情を殺して、狂気に走る姿にも見えてしまった

ということは・・

この「蜂」こそが「人間」そのものなのかもしれない

世界のあちこちで繰り広げられる「剣の舞」こそが

「自己破壊」の象徴だと私には見えた・・

とある演劇雑誌での野田氏のインタビュー記事で

「暴力」を描くことについて、「切実さ」を感じると答えられている

そうして観客には「感電」してもらいたい・・とも

「ロープ」でとんでもない重い贈り物を頂いたと思ったら今度は「高圧電流」でございますか・・

観終わったあと・・全身を蜂に刺されてショック状態になってる気分でしたわ

野田秀樹さん・・愛してます(笑)(竜也くんの次に・・)