ヴェニスの商人?

  • 2007/10/07(日) 22:40:42

さあ、いよいよクライマックス!

法廷シーンです

戯曲でも映画でもここは最大の見せ場

男装したポーシャが法学博士となって登場して
見事な大岡裁きを披露するのです

そして・・

別の尺度から見ると・・

これほど残酷なシーンはない・・






舞台はヴェニスの法廷

訴えを起こしているのはユダヤの金貸しシャイロック
被告人はヴェニスの商人アントーニオ

周りはシャイロックを罵倒する者ばかりだ

だがシャイロックはそんなことにかまいもしない

ひたすら「証文どおり」それを繰り返す・・

証文さえあれば、法律は自分に見方してくれる

シャイロックにとっては法律こそが
唯一平等で公平な存在なのだ

慈悲などというものほど
不公平な代物はない・・

そんな最中にポーシャとネリッサ登場

今回の裁判を担当できるように
ポーシャが知人の博士に頼んでいたのだ

法廷にいる
シャイロックとアントーニオ

アントーニオにポーシャが尋ねる

「お前がシャイロックか?」

ポーシャにはシャイロックとアントーニオの区別がつかない

外見ではユダヤ人もキリスト教徒も区別することはできないのだ

では一体何が二人を分けているのか?

それは他でもない
先入観という曖昧なもの・・

バサーニオが持ってきた倍の金額にも目もくれず
シャイロックは法律で裁けと言い続ける

証文は本物だ

その通りにせねばならない

絶体絶命のアントーニオ
だが不思議とアントーニオは落ち着いている

バサーニオのために死ねる・・
それが嬉しいかのように・・

悲しみにくれるバサーニオ

アントーニオに取りすがり
「命も妻も、全世界だって、君の命より大切には思えない。全て手放し、みんな犠牲にしてでもこの悪魔から君を救いたいんだ!」

ポーシャはますます心穏やかではない

しかし、何とか夫の親友を救わねばならない・・

困り果てながら頭を抱えるポーシャ・・

その間に刃物を持って
アントーニオに迫るシャイロック

服を脱がされ
胸をはだけ、シャイロックに心臓の肉1ポンドを切り取られるのを待っている

シャイロックが刃物を胸に突きつけたその時

ポーシャが叫ぶ
「待て!」

「確かに肉1ポンドと証文には書かれている。だが、それを切り取る際、たとえ一滴でもキリスト教徒の血を流せば、お前の土地と財産はヴェニスの法律により、ヴェニス国家に没収される」

ここからは形成逆転

シャイロックを公平に扱ったはずの法律は
もはやシャイロックの盾にはなってはくれない
逆に彼に牙を剥いて襲い掛かってきた

「それが、法律ですか・・?」

シャイロックの悲痛な叫びが法廷に虚しく響く

大喜びのキリスト教徒たち

ここからが
この物語の人間の残酷さを最もはっきりと表すところなのだ

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