カリギュラ?

  • 2007/12/12(水) 14:52:19

クライマックスをどう捉えよう・・

悪の栄えた試しなし?

それとも

カリギュラの思うとおりの「自由」を彼は手にしてしまった?

彼は

愛するセゾニアをシピオンを・・

全ての愛を解き放った

そうして自分自身をも解き放ってしまったのだろうか?

何かしら・・クラクラ眩暈を覚えながら・・

カリギュラの思いを痛む頭で感じ取ろうとしていたように思える

「愛」が痛みを伴うのなら

その苦しみから解放されたいと・・思うものなのだろうか?




カリギュラの暗殺を知ったシピオン

そしてカリギュラがそれを受け入れたことも知っているシピオン

彼に別れを告げるシピオン

「さようなら・・カイユス様・・全てが終わったとき・・僕が貴方を愛していたと思い出してください」

去っていったシピオンを見送りながら

彼が去った方向へ手を差し伸べ・・声に出来ない叫びをあげながら

彼を求めては否定するように激しく首を振るカリギュラ

そうして

セゾニアの傍に近寄る

「シピオンは去った。なぜお前はここにいる?」

傷ついた心を持ったカリギュラに愛情を見せるセゾニア

「ここへいらっしゃい。私のひざへ・・。」

自分がカリギュラを守ると言うセゾニアに

「なぜそんな愛情を注ぐのだ!」と詰るカリギュラ

彼女はカリギュラに最後の愛を注いで挑戦したのだろうか?

愛が彼を狂気から救うことができる唯一のものと・・

「私は年を取った・・。でもあなたを心配するあまりにこんなにも心のひろい女になったわ!あなたに愛されなくてもそんなことどうでもいいほどだわ
あなたはまだ子どもだわ。あなたの人生はこれから、人生がそっくりそのままにある。これ以上に素晴らしいことがあるというの?」

「一人の人間を愛するということは一緒に年を取るのを受け入れることだ。そんな愛は俺にはできん!
俺は知っている!何一つ長続きしないことを!それを知ることは容易なことではないのだ」

人としての満ち足りた幸福は人間としての短い一生を送る上で不可欠なもののはず・・

だが・・カリギュラはその全てを「無意味」なものとして受けとめてしまった

そしてその「無意味」な幸福を否定したからこそ

完全なる「孤独」という「自由」を手に入れることができると・・

それは狂気の果てにしか存在しない「自由」

そうしてその「自由」を完璧なものとするために・・

最後に残った「愛」の象徴である

セゾニアの首に手をかける

「時間がないのだ!いとしいセゾニア!」

彼女を殺害し、たった一人になったカリギュラは

やっと手にした「自由」という「幸福」を見つめていた

鏡に映った自分の姿・・

彼は自分と対話した

そうして・・襲いくる「恐怖」とも・・

暗殺者が迫っていた・・

忠実な友エリコンの死に出会い・・

彼は鏡に向かって椅子を投げつける

その瞬間・・暗殺者たちが次々にカリギュラを刺していく

カリギュラは死の瞬間・・

笑みを湛えながら

「俺はまだ生きている」

そう叫んだ・・

これが・・

彼が望んだ永遠の孤独であり自由という幸福であったのだろうか・・

受け入れがたい重みにあえてゆっくりと息をついてみた

行き着くことのない物語

いつの日か・・この物語を深く感じる時がくるのかもしれないが・・

今は・・

たとえ意味はなくとも

人としての幸福がほしいと思えてしまう

人は神になどなれはしないし・・

孤独の中で永遠に生き続けることもできはしないのだから・・








この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する