THE BEE〜ロンドン・バージョン〜

  • 2008/01/26(土) 15:44:00

先日の「THE BEE〜日本バージョン〜」

同じ内容ですが、演出と出演者、美術、セットと言語が違うロンドン・バージョンです。

と・・ここで訂正

先日、原作者の名前間違ってました

これは筒井 康隆さんが70年代に発表した短編小説「毟りあい」を下敷きにして作られた作品だったようで

正しくは

原作 筒井康隆
脚本 野田秀樹 コリン・バーティン
演出 野田秀樹

でございます。失礼しました<(_ _)>

後で「日本バージョン」も訂正しときます

で・・出演者

キャサリン・ハンター
Kathryn Hunter
野田 秀樹
Hideki Noda
トニー・ベル
Tony Bell
グリン・プリチャ−ド
Glyn Prichard


さて・・感想なんですが

舞台装置が違うとやはりガラリと印象が違います

真っ赤な床面と鏡ばりの壁面

小道具として使用されるゴム・・

長いものはロープになったり、あるいは雨戸になったり

短いものは食べ物になったりしていたのが印象的

蜂は音だけで姿を表さない

鏡はやはり内側と外側とを表しているように見える

鏡の内側での演技と外側での演技

境界線のようでもあり・・国境のようでもあり・・

内側から外側は透けて見えるけど外側からは内側が覗けない

野田さんが言う

「人が内包している業」

が顕れてるように思える


イド役は女性でオゴロの妻役には野田さん

女性のイドが男性のオゴロの妻を犯すという不思議な光景なのだけど

おかげでこの行為そのものが異世界の出来事のように見える

イド役のキャサリン・ハンターも実に力強い演技で

狂気へと落ちていく様を見せてくれるのだけど

やはり圧巻は野田さんの演技・・

日本バージョンを見たあとでもこのロンドンバージョンは

泣けるんです

日本バージョンには涙は出ないのに・・

後半の閉塞したシーンで見せる

野田さんの変化・・

わが子の死を認識してしまった瞬間・・麻酔が切れて痛みが戻ったような表情

また犯されて麻酔をかけられてしまう表情

同じシーンでもこの野田さんの演技で泣いてしまった・・

やはり素晴らしい役者なんだ・・と再認識

野田さんの表情を見ていて・・

ふと・・こんな表情を見た覚えがあるな・・と記憶を辿る・・

例えば・・

「ビューティー・クイーン・オブ・リナーン」の大竹しのぶ

「ひばり」の松たか子

「身毒丸」の藤原竜也

瞳が現世から離れてしまっている

一体何が見えているんだろう?


野田さんの瞳もそんな瞳だった

それに・・とても美しかった

野田さんは美しいという言葉が当てはまる人ではないかもしれないけど(笑)

野田さんが演じる「オゴロの妻」は美しい女だった

そして

キャサリン演じるイドは

より滑稽で悲しい男だった

野田さんのイドは内側から自己破壊しているけど・・

キャサリンのイドは自己破壊を無理やり納得させているように見える

残酷な行動を感情が否定していて、それを無理やり納得させている

それがとても滑稽で悲しく見える

これもロンドンバージョンが泣ける理由の一つかもしれない

ただ・・どれもこれも、私が感じただけのことでございます







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